【体験記②】便潜血検査で一回だけの陽性反応。再検査すべき?

便潜血一回だけ陽性 再検査受けるべき?



初めて受けた人間ドックで便潜血検査で陽性になり、再検査となった時の体験談です。

人間ドックを受けた経緯

筆者は20代の会社員時代に、健康診断を受けて以来、これまで10年以上に渡り、健康診断を受けて来ませんでした。
30代に入り、結婚・出産と忙しい日々を送っていたので、どうしても自分の事は後回しになっていました。2人目の子供が1歳半になり、少し生活に落ち着きを取り戻しつつあった38歳の時に、意を決して健康診断ではなく、より詳しく調べてもらえる人間ドックを受けることにしました。

健康診断・人間ドックの違いについてはこちらから→【体験記①】人間ドックと健康診断の違い、流れ、費用は?

妊娠中に簡単な検査はしているので、肝臓や腎臓、感染症などの心配はさほどしておりませんでしたが、消化器系の検査は一回も行った事が無いので、今回、人生で初めて検査することになります。
まずは、大腸(下部消化管)の検査、便潜血検査について解説します。

検便(便潜血検査)はどのような目的の検査か

便に含まれる血液を検出して、消化管からの出血の有無を調べる事により、大腸ガンをスクリーニングする目的で行われます。大腸ガンの多くは出血を伴うので、便に血が混入します。

実は不完全な検査

目に見えない微量な血液も検出するので、精度が高い検査ですが、便に混ざる出血はガンだけではありません。良性のポリープ、大腸炎、肛門出血・痔、生理の血が混ざっても陽性になってしまいます。

しかし、大腸ガンになっていても、出血していない場合や、病変を便が擦らずに血が付かなく、陰性になってしまう場合もあります。
ということで、少量の血液でも反応する精度の高い検査ではありますが、大腸ガンが必ずしも出血を伴う訳では無い、実はガンのスクリーニングという事に関しては精度が疑問視される検査です。

では、なぜ、この検査が行われるかというと、この次の段階の精密検査、大腸内視鏡検査は、検査前の下剤の処置や、肛門からスコープを挿入することによる苦痛など、とても体に負担の大きい検査です。この検査を毎年全員に行うのは非現実的です。

それと比べると検便は、体に負担が少ない検査なので、大腸内視鏡検査を行う人をスクリーニングする目的で採用されているのです。

しかし、前述した通り、便潜血検査はガンになっていても陰性になる可能性の高い、不完全な検査ですので、40歳以上の人は2年に1回、大腸内視鏡検査を行う事が推奨されています。

不完全を補う為の2日間法

このようにガンから出血が必ずしも起こるわけでは無いので、1回目の検査の日に出血していなくても、日を変えた違う日に出血が起こるかもしれないのです。2回行う事により1回より精度を上げることが出来るのです。
ということは、2回中1回だけ陽性(+)反応が出ても、1回は陰性だったから大腸ガンの可能性が少ないという訳では無いのです。1回でも陽性反応が出たら、必ず再検査の大腸内視鏡検査を受けるべきなのです。

出血するガン以外の病気の可能性

便潜血検査で陽性が出た場合、痔の出血だろうと考えて、再検査を受けない人が多いのも事実です。たまたまいきんで切れてしまったと言うことも考えられますが、痔かと思っていたら実は大腸ガンだったという事例も沢山あります。そして、大腸ガンでも陰性になり発見が遅れてしまう人もいるので、陽性が出て大腸内視鏡検査が出来るということは早期発見のチャンスだと思って喜ぶべきなのです。

大腸ガンを恐れないで

大腸ガンは早期で発見すれば完治するガンです。進行も他のガンよりゆっくりで、ステージⅢでも完治率の高いガンです。逆に多臓器に転移してしまっているステージⅣになるとなかなか完治するのが難しくなってきます。
大腸ガンの特徴は小さいポリープが癌化していくので、良性の小さいポリープでも原則、切除しなければなりません。

この大腸内視鏡検査を受けて命拾い出来た方が沢山いることも事実なのです。

結論

ということで、当コラムのタイトル「便潜血検査で一回だけの陽性反応。再検査すべき?」の答えですが、「再検査すべき」です。
むしろ、陰性でも大腸内視鏡検査は受けるべきなのです。血便や、便秘と下痢を繰り返したり、便が細くなったり、1回の便を3回に分けて出すなど、1回で出し切れない方は、大腸ガンの症状の可能性もあるので、大腸科を受診してください。そうすれば、内視鏡検査を行いましょうという流れになるはずです。

とりあえず1回受けておけば、ガンが1cmに成長するのは数年かかると言われております。しかし1cmから2cmに成長するのは数ヶ月とも言われているので、1回大腸内視鏡をやっておけば、ひとまず安心と言えます。

検査の痛みが心配だという方は、病院選びをしっかり行う事によって、苦痛を伴わず検査を受けることができます。

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