スマホが脳を破壊する!?依存症と脳過労を引き起こす恐怖の仕組み。

スマホが脳を破壊する!?依存と脳過労を引き起こす恐怖の仕組み。

ここ十数年でスマホが普及したことにより、AIやインターネットがより身近な存在となりました。
検索で知りたい情報がすぐに手に入り、スマホで仕事もスマートにこなし、アプリで健康管理をして、空いた時間はスマホゲームに興じる。

とても充実し、素晴らしい生活を送っているように見えます。

しかし、そんな当たり前になっている今の生活が、実は私たちの脳を蝕んでいることに、どれだけの人が気づいているでしょうか?

最近、もの忘れが激しくなっていませんか?疲れやすくなっていませんか?

そんな方は「脳破壊」が既に始まっているかもしれません。
脳科学の文献を元に、現代人に忍び寄る危険を検証します。

スマホを使うと頭が悪くなる

スマホを使用する女子学生の写真

日本で2万2千人の中学生を対象に行った、1日あたりにどのくらいスマホ(携帯電話を含む)を使用したのか、それと合わせて自宅学習時間、学力を比較した研究で驚くべき結果がでました。

自宅学習が2時間の生徒で、スマホを全く使用しない群と4時間以上使う群では、平均点に大きな差が出たのです。

これはスマホ利用が4時間以上で結果が悪くなるという訳では無く、少しでもスマホを使えば使うほど、学習時間が同じでも、成績は下がっていきます。例え2時間以上家庭学習をしていても、スマホを3時間以上使ってしまうと、家庭学習をほとんどしていないけど、スマホを使わない生徒の群の方が成績が良くなります。

スマホを使用しているから家庭学習の時間が減る訳では無いのです。スマホを使うと勉強しても勉強したことが頭から消えてしまう何らかの原因があるようなのです。

スマホを使うと勉強時間が同じでも成績が悪くなる写真

スマホを長時間使用する子供たちの脳を調べると脳の広範囲で発達の遅れが見らました。
スマホの使用時間が増えることにより睡眠時間が少なくなり、脳の動きが悪くなることも考えられるのではないかと、さらに研究が進められているところです。

スマホ使用が発達障害を作り出す

スマホで発達障害(ADHD)の症状が出る写真

発達障害とは「脳の機能障害」です。先天的なものだと理解している方が多いと思いますが、実は環境により後天的に作り出される事があります。発達障害者の数は年々増加の一途をたどっています。

昔は、「ちょっと変わった人」と認識されていた人が実は発達障害だった。という、世間の発達障害に対する認知度が上がったから増加したという考え方もありますが、どうやら、それだけでは無いようなのです。

その一つの大きな要因が、スマートフォンの普及、デジタル機器の普及です。

デジタル機器は基本的に脳に悪影響になります。テレビゲームなど非現実的な刺激も悪影響なのですが、最も問題なのは、「速度が速い」ということです。スマホやタブレットが普及したことによりスライドやタッチなどで、多様な画面に次々に遷移させることが出来ます。この事が脳にとって過刺激になるのです。

私たち人間は何百万年もの前からの生活を元に体がプログラミングされています。素早く変わる画面は、これまでの進化的環境には存在しなかったものです。通常より速い、強い刺激、つまり「過刺激」があると、通常の刺激以上に反応します。それは、生物が危険から身を守る本能的なものです。この行動は人間以外の動物でも見受けられます。

過刺激に注意を向けている様子は、一見「集中」しているように見えますが、実は反応しているだけで、脳はほとんど働いていません。

小さい子どもにスマホを与えると集中して見入ります。その様子を見て「うちの子は集中力が高い」なんて思っている親御さんがいらっしゃると思いますが、実はとんでも無いことなのです。脳はほとんど働いていません。反応しているだけなのです。

過刺激の状態が続くと、通常の動きに注意が向かなくなってしまいます。表情や社会関係、言葉などに注意が向かなくなり、さらに過刺激を求めるようになります。
長時間のテレビ視聴も悪影響が報告されていますが、スマホは次々に画面をスワップさせることができるので、過刺激を自分で作り出すことが出来てしまうことがさらに大きな問題になっています。

大人も悪影響なのですが、特に子どもは脳の可塑性(粘土の様に指で押したら緩やかに形を変える様子)が非常に高く、デジタル機器によって脳が大きく歪んでしまう恐れがあるので子育て中の方は特に注意して頂きたいです。

インターネットは依存するように出来ている

ネットサーフィンしすぎてガイコツになってしまった写真

インターネットが出始めて20数年経ち、さらにスマートフォンの普及により、インターネット、パソコン利用が一気に一般化しました。

スマホがあることで、いつでもどこでも情報を取る事ができます。
気になった情報を検索し、その結果を得る。このことは、脳にとって報酬になります。一種の麻薬のような快感が得られるのです。そのことにより、どんどん検索してしまいます。

「検索欲求」それは、人間や動物が生き抜く上で役に立つ情報を探す事を促すシステムでありドーパミンの原動力となるものです。狩りと同じで「検索」とは人間に組み込まれた生きる為に必要な「欲」なのです。

パソコンで検索する女性の写真

インターネットは企業が商品を売るためにサイトを長く閲覧してほしいので、人々を引きつけるように出来ています。興味のあるニュースが次々に表示され、私たちはどんどんサイトを巡回していってしまいます。

驚くべき事にスマホで検索した情報を見ている際、脳の前頭葉は殆ど働いていないのです。そして、情報を入れ過ぎた脳は脳過労を起こし、脳は膨大な情報を処理しきれず、ゴミ貯め状態になります。その事により、記憶を引き出せなくなったり、イライラしたりすぐに落ち込む状態になってしまうのです。

SNSは麻薬と同じ?

麻薬を我慢している男性の写真

ドーパミンとはやる気を上げる物質で、不足するとやる気が低下したりうつ病の原因になることで知られていますが、このドーパミンが常に出過ぎて麻薬中毒と同じようになってしまうのが、SNSなのです。

「いいね」がもらえたり「コメント」が入ると脳にとって報酬が与えられます。しかし、実はこの報酬ですが、実際に得るものは何もありません。なので、脳はさらに刺激を求めるようになります。

例えるのであれば、ダイエットコーラも同じです。甘いけど人工甘味料なのでエネルギーは無いから、エネルギーを得る為にどんどん摂取しなければならないと脳がバグってしまいます。SNSもドーパミンは出るけど実は何も起きていない状態、期待するけど何も起きていない状態になってしまうのです。この当たりそうで当たらないという状況がまさにギャンブルと同じで中毒を起こす原因となるのです。

そして、LINEのメッセージだったり「いいね」だったり、刺激の入手が簡単になってしまいます。でもその喜びはすぐに無くなります。そして、また通知が鳴ります。ちょっと興奮しますよね。これが、喜びが手軽に入る状況なのです。こうなってしまうと、ドーパミンが日常的に発生する状況になので、将来的に大きな喜びになるようなコツコツ努力して何かを手に入れる、という行動が出来なくなってしまうのです。

スマホ依存で失うもの

マルチタスクに疲れている女性の写真

スマホが近くにあるだけで、または頭の片隅に意識としてあるだけで、脳はマルチタスク状態になります。

スマホの通知音が鳴るだけで作業効率は半分まで低下してしまいます。頭の中で次々にタスクを切り替えるので生産性が下がるのです。何かをやりながらスマホを操作する「ながらスマホ」もいけません。

何故このようなことが起こるかというと、生き残る為の動物の本能と関係します。森で食物を採集をしている時に、ガサガサと物音がしたら、敵の攻撃かもしれないので、すぐさまそちらに注意を向けなければなりません。そうしないと死んでしまうからです。人間だけではく生物は敵から身を守る為に集中を容易に途切れさせることが出来るのです。マルチタスクであるからこそ生き残れてきたと言う訳なのです。

とは言っても、普通の生活をしている時に命の危険にさらされるような事態は頻繁に起こる訳ではありません。そんな危機的状況のアラートがしょっちゅう鳴っている状態で、脳はどうなるでしょうか。疲れが取れなく、意欲低下が起こり、メンタルが不安定になってしまうのです。
さらに、マルチタスクは短期記憶に重要な脳の前頭葉にダメージを与えるので自分をコントロールする能力が低下します。

マルチタスクも必要な能力ですが、頻繁に行うものでは無いと言うことです。
特に、会社でもプライベートでもスマホを使用する人は、使い続ける事になるので注意が必要です。

Aiがあるから、脳が考えるのを辞める

脳が考えるのを止める壊れていく女性の写真
重要なメモはスマホで撮影、漢字も文章もスマホが予測変換してくれる。メッセージ送信はLINEが普及して、前文、末文、季語を利用して、かしこまった文章を制作する必要が無く、会話のようなメッセージを気軽にやりとりするようになりました。機械に自分の脳の代わりをしてもらえるようになり、細かく考える機会も減りました。

記憶は、一回忘れて思い出した時に定着します。思い出す行為をしなくなることによって、どんどん記憶を引き出せなくなっていきます。そして、先で述べた、スマホの長時間利用で情報を入れ過ぎて脳がゴミだめ状態になり脳疲労を起こし、さらに記憶力は低下していくのです。
現在、若い働き盛りの世代で「スマホ(デジタル)認知症」が増加しているのはこのような理由からです。

スティーブジョブスも自分の子供にはiPhoneを触らせなかった

子供にスマホではなく本を読ませる男性の写真

アップルの創始者スティーブ・ジョブスを始めテクノロジーのトップ達は子ども達がスマホを初めとするデジタルデバイスに触れるのを制限している人が多いと言います。
というのも彼らは、デジタルディバイスが中毒症状を引き起こす事と、10歳以下はもっとも中毒になりやすいということを知っているからです。

多くの大人が依存症になってしまうのが現実です。まだ自制の効かない子供に自由に使わせたらどういうことになるでしょうか。タバコやお酒もそうですが、摂取の開始時期が低年齢であればあるほど、依存度が高くなります。だから、テクノロジー関係者の親たちは子ども達の使用を制限しているのです。

スマホから脳を守る為には

セルフコントロールしようの写真
どのようにすれば脳を守れるか。現代社会において、スマホを全く使わない生活は現実的ではありません。

脳は何かに集中しているときではなく、ぼーっとしている時の方が脳全体が活性化します。これを「デフォルト・モード・ネットワーク」といい、情報を整理する為に必要です。

スマホや仕事、勉強に集中しすぎていると、脳の特定の部位しか使われず、他の部分に血流がいかなくなります。その状態が続くと他の能力が必要な作業で効率が落ちます。

脳の情報処理には「インプット」「デフォルト・モード・ネットワークによる情報整理」「アウトプット」の3つの段階があります。スマホを長時間利用している人は「インプット」ばかりの状態になります。そうすると、情報整理が出来ず脳がゴミ屋敷みたいになってしまいます。

「Aiがあるから、脳が考えるのを辞める」の項目で、「思い出す行為で記憶が定着する」と述べましたが、その他に、記憶したことを「アウトプット」することによっても情報が脳に定着します。このようなことから、「インプット」「情報整理」「アウトプット」が大変重要になります。

脳を守る対策としては、集中して、ぼんやりする。また集中してぼんやりする。というようなメリハリが大切です。間違っても、ぼーっとする時間にスマホでSNSチェックをしてはいけません。寝室やお風呂にまでスマホを持って行ってはいけません。それは、集中の時間を続かせているだけです。そして、人と会話したりしてその情報を「アウトプット」すると記憶の定着に関しては大変良いということになります。

まとめ

スマホは悪では無いの写真

スマホやネットが全て悪いと言っている訳ではありません。便利なツールは大いに利用すべきだと思います。しかし、使われてはいけません。

しっかりと自制した中で使用していかないと、依存し、疲れ果て、考えることを止め、脳は萎縮の一途をたどるということを頭に入れなければなりません。

特に、スマホやデジタル機器による発達障害(ADHA)の拡大は、多くの科学者が警鐘を鳴らしています。しかし、まだスマホが普及して10年程度。長期的データが揃わない。そうなるとなかなか国は規制に動きません。

私たちは、時代の変化の中にいます。様々な研究で脳に悪影響があることは明らかです。長期的なデータのエビデンス(科学的実証)が無いからと野放しにしておく訳にはいきません。近い将来、タバコやお酒の様に使用が規制されるようになるでしょう。そうなる未来が分かっているのに何もしない訳には行きません。

昔に想像していた未来人の姿は、脳が肥大化した宇宙人の様な人間のフォルムだったと思います。しかし、これらの情報を元に未来人の姿を描き直すとすれば、脳が小さくなり、機械にお世話をされるむなしい人間の姿かもしれません。

そうさせない為にも、私たちは今からしっかりとこの問題に向き合って行かなければならないのです。

参考文献のご紹介

“スマホ脳過労” 記憶力や意欲が低下!?

“スマホが学力を破壊する”これだけの根拠

発達障害の改善と予防(著:澤口俊之)

サイバー・エフェクト 子どもがネットに壊される(著:メアリー・エイケン)

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